「アニメの聖地」だけじゃない? 池袋に広がりつつある「Vtuberの聖地」
最近、池袋の街並みが変わったように感じている人も多いのではないでしょうか?
頻繁に来る人は勿論、たまに池袋に来るという人にとっても、いつの間にか知らない建物が出来ているという経験をしているのではないかと思います。
池袋と言えば、乙女ロードがあることから長らく「乙女の聖地」として親しまれてきましたが、「国際アート・カルチャー都市」構想を掲げる豊島区は、池袋を新たに「アニメの聖地」、「マンガの聖地」としてアピールるするべく、池袋PRアニメや、「池袋アニメタウンフェスティバル」といったイベントの開催を通して積極的に活動しています。
漫画では、漫画の神様「手塚治虫」や「石ノ森章太郎」といった数多くのレジェンド達を輩出した「トキワ荘 復活プロジェクト」なども進んでおり、着々と新しい豊島区、新しい池袋の形が生まれつつあります。
アニメイトさんやドワンゴさんとタッグを組み「Hareza池袋」を中核とした文化の発信拠点としての池袋、6年目となりすっかり定着した「池袋ハロウィンコスプレフェス」など、オタク街としての池袋も随分新しい形に変化してきました。
「乙女の聖地」から「アニメとマンガの聖地」へ。
しかしそれだけではありません!
現在、池袋では再び新しい聖地が生まれようとしています。
鮮やかに花開く「Vtuberの聖地」へ。
今、2.5次元市場が熱い!
続々と「Vtuber劇場」が誕生!
11月1日に先行開業となった「Hareza池袋」のホール棟には、メインとなる「東京建物 Brillia HALL」(豊島区立芸術文化劇場)の他に、ポニーキャニオンさんが運営する劇場「harevutai」(ハレブタイ)、ドワンゴさんが運営するスタジオ「ハレスタ」の3つの劇場が入っています。
2014年に渋谷から池袋駅隣のパルコ別館に移転し運営されていた「ニコニコ本社」が、新たに「Hareza池袋」に移転し「ハレスタ」になりましたが、ニコニコ本社の機能はそのままに更に進化した設備、技術、コンセプトを下に作られています。
「harevutai」はライブ劇場となっており、通常のライブイベントは勿論のこと、特徴的なものとしては透過スクリーンや照明、音響など、2.5次元のキャラクターを映し出すことが出来るCGライブなどを実施することが出来る設備が整っており、11月1日からのオープニング期間には、Vtuberの「天神子兎音」や「ミネソタ」など、多くのVtuberが登場しました。
まだまだそれだけではありません。
「Hareza池袋」と共に2019年夏、池袋に登場した新しいランドマークが「グランドシネマサンシャイン」(キュープラザ池袋)です。
サンシャイン60通りで長年親しまれてきた「シネマサンシャイン」が閉館。「シネマサンシャイン」を運営してきた佐々木興業さんが手掛ける首都圏最大級のシネマコンプレックスが「グランドシネマサンシャイン」です。
「4DX with ScreenX」に加え、国内最大となる「高さ18.9m×幅25.8m」のスクリーン「IMAX®レーザー/GTテクノロジー」シアターを兼ね備えた最新鋭の映画館となっており、まさにグランドの名に相応しい巨大な映画館となっており、施設内にはカプコンのゲームセンター「プラサカプコン」や「カプコンカフェ」などが入る他、角川さんと提携することで劇場の一つを「EJアニメシアター」にするなど、随所に工夫が盛り込まれています。
加えて、2020年にオープン予定の「Harezaタワー」には、TOHOシネマズさんによるシネマコンプレックスがOPEN予定となっており、「Hareza池袋」と「グランドシネマサンシャイン」という、これほどの近距離に2つの巨大なシネコンが誕生する例のない事態を迎えています。
しかし、池袋のサンシャイン60通りは、これらのシネコンが登場する前から劇場密集地帯と呼ばれていました。
そこに更なる劇場が加わることで、過剰なまでに劇場が集中することになります。
そこで、各劇場が最近になってそれぞれ独自のコンセプトを打ち出し始めました。池袋西口の「シネ・リーブル池袋」は、劇場版、TVシリーズを問わずアニメを1年間上映する「アニメZONE」をスタート。
新作から旧作まで毎日上映されており、特にTVシリーズの場合、一挙に視聴することが出来きるので、過去の見逃した作品を視聴するのに有用だったり、大きなスクリーンで迫力のある映像を楽しめます。
劇場版『名探偵コナン』などの作品を上映している「池袋HUMAXシネマズ」は、アンバサダーとして、映画専門Vtuber「夜子・バーバンク」を起用。
映画の始まる前説に登場したり、Youtubeなどで作品解説をしたりしています。
そうした流れの中、「池袋HUMAXシネマズ」は「Vtuber劇場」化を進めており、バルス株式会社と提携することで映画館をライブ劇場として活用。
バーチャル3D空間上のエンターテイメントスペース「SPWN」として、Vtuberの「富士葵」や、自称世界初のバーチャルシンガー「YuNi」のライブが行われたりと、映画館の枠組みを超えた劇場として独自のポジションを獲得しつつあります。

更に、「グランドシネマサンシャイン」に移転したことで、空いたシネマサンシャイン跡地を、講談社さんがライブエンターテイメント施設にすることを発表。
開業は2020年春を予定しており、講談社のコンテンツだけではなく、アーティスト、役者、声優、Youtuber、2.5次元など、新たな才能を発信していく施設を目指すそうです。
このように池袋には「Hareza池袋」、サンシャイン60通りエリアを中心に「Vtuber」が活躍出来る舞台が急速に整備されつつあります。
2つのシネコンの登場が劇場の過密状態をもたらし、それにより飽和する劇場を活用する為の方法が模索された結果、「Vutber劇場」という新たな可能性が生まれました。
複合的な要因が絡み合うことで、池袋の環境が必然的に生み出した「Vtuber劇場」といった2.5市場の構築は、まさに「聖地」というべき要素を備えています。
こうした観点から考えても、「Vtuberの聖地」は、真似しようと思っても「施設・設備」といった環境条件が整わない事には難しく、これらを池袋と同様の水準で揃えるのは難しいと思われます。
まさに唯一無二の「Vtuberの聖地」が生まれつつあるといっても良いのではないでしょうか?
そしてこの「Vtuberの聖地」が、今度どのような変化をもたらしていくのか、それもまた楽しみです!