サンシャイン60通りにアミューズメント施設「namco池袋店」がOPNE!
昨年、12月27日に「池袋HUMAXシネマズ」の1階と地下1階に誕生したアミューズメント施設「namco池袋店」。
ただでさえ周辺は「ラウンドワン」や「セガ池袋GIGO」、「サントロペ」などゲームセンターが集まる都内有数のゲームセンター密集地帯ですが、そこに更にバンダイナムコアミューズメントさんが出店してきたことで、屈指の激戦区となっています。
2008年度から縮小していた国内ゲームセンター市場は2015年度から復調し、2018年度の市場規模*は2009年度を超えるレベルまで回復しています。当社は全国のショッピングセンターを中心に250店舗以上のアミューズメント施設を展開していますが、このたびナムコブランドによる「日本のゲームセンター」としての情報発信と、更なる市場の活性化を目的に、約250mに6店舗**が軒を連ねる日本有数のゲームセンター激戦区「サンシャイン60通り」に初出店します。なお、当社がビデオゲームを揃えた繁華街店舗を東京都内に出店するのは13年ぶりです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000301.000033062.html
プレリリースによると2008年頃から縮小していたゲームセンター市場がここ4年程回復基調にあるとされています。そして主にショッピングセンターなどを中心に展開していたバンダイナムコアミューズメントさんの施設が繁華街に出店するのはなんと13年ぶりだそうです!
バンダイナムコさんといえばサンシャインシティでもVRアミューズメント施設「MAZARIA(マザリア)」を運営中ですし、ナムコナンジャタウンなど池袋には力を入れていますが、これから池袋が更なる変化を迎えるタイミングにバッチリ布石を打ってきたという動きとなっていますね!
そんなわけで、タピオカドリンクでも飲むついでに仕事終わりに遊びに寄ってみたのですが、そこには目を背けるべきではない絶望的な光景が広がっていました。
それで良いのかゲームセンター!
そしてその結果がもたらす未来とはいったい……。
ゲームセンターの客層は誰なの?
店内では大々的にプライズを展開。
1階には120台を超えるプライズ台が設置されており、様々なキャラクターやお菓子の景品がゲット出来るようになっています。(しかしその様々なキャラクターの内訳にこそ深刻な問題が……)
「キャラポップストア」が併設されていたりするところが実に池袋らしいですが、現在は『ヒーローアカデミア』を全面展開。店内にはキャラクターの等身大スタンドパネルが並べられています。フォトスポットにもなっているので、是非撮影してきましょう!
<「namco池袋店」のポイント>
■地域最大級のシールプリントコーナーに壁一面のフォトプロップスを導入するなど、ユーザーの思い出や日常をソーシャルネットワークで共有できる仕組みを演出。
■当社を代表するビデオゲームは地域最大級の設置台数を揃え、当社タイトルで構成された『バンダイナムコアミューズメントゾーン』では、公式プロモーションの拠点としてプレイヤーのゲームコミュニティ形成を促進。
■クレーンゲームは、小売店では買えないユニークな菓子景品やオリジナルのフィギュアなどナムコ専用景品を中心にご用意。
■作品の世界観を楽しめるキャラクター物販コーナー『キャラポップストア』を併設。
■人気の台湾ドリンク専門店「瑪蜜黛(モミトイ)」を併設。
階段を下りて地下に行くと、約半分がプライズ、もう半分が音ゲーとガンダムです。
鉄拳? そんなの(ヾノ・∀・`)ナイナイ
店内の3/4がプライズ、残り1/4をそれ以外に割り振っていますが、このフロア構成から分かるのは「namco池袋店」が、女性をメイン客層としていることです。
「乙女の聖地」池袋なので、それは当たり前ではあります。現に他の周辺にあるゲームセンターも同じ傾向ですし、「セガ池袋GIGO」もかつて女性向けに大リニューアルし、地下1階に展開していたビデオゲームは上の階に追いやられました。池袋だからしょうがない……。
本当に?
これ、別に池袋だけではなく、全国殆どのゲームセンターでメインはプライズになっており、「乙女の聖地」だからそうなっているわけではありません。ゲームセンターのメイン客層は既に全国何処でも女性になっています。幸い池袋にはミカドさんなど、格ゲーやレゲー好きが集まる聖地も出来たりしているので問題ありませんが、旧来のゲームセンターのメイン客層だったビデオゲームで遊んでいた層にとっては肩身が狭くなっているのは間違いありません。
が、とはいえ、それはあくまでも需要で決定しているので、そこに対しては思うところはありません。
歪んだゲーム市場、捻じれ現象は解消されない?
ゲームセンターのメイン客層が女性になる中、国内のビデオゲームのハードシェアを見ると恐ろしい事実が見えてきます。
2019年に至ってはスイッチと3DSを合わせると79%になり、国内のハードシェアの約8割が任天堂です。
任天堂のゲームは全年齢を対象にしており、女性に人気のソフトも沢山あります。今年3月に発売予定の『どうぶつの森』などはその最たるものですが、「ポケモン」や「カービィ」なども大人気です。「ポケモンカフェ」や「カービィカフェ」などは女性の方が多いのでは?
そしてこの傾向はそっくりそのままゲームセンターのプライズの景品からも見て取れます。管理人が「namco池袋店」に行ったとき、女性のグループが「カービィ」のプライズを熱心にプレイしていたのですが、そこで気になってプライズになっている景品を一通り見てみたところ、主に「任天堂系(ポケモン、カービィなど)」、「アニメ系(ドラゴンボール、ヒロアカなど)、「ディズニー系(アナ雪など)、「その他」という感じで分類されていました。
そこで「アレ?」という疑問を持ちました。
そう、任天堂以外ゲームIPのプライズ景品が全くないのです!
ゲームにも沢山のIPがありますが、実際にゲームセンターに行ってみれば、それらのIPに人気がないことが明白な事実として表れています。「namco池袋店」だったら、バンダイナムコさんのIPであるゴッドイーターやソウルキャリバーやコードヴェインやらテイルズやら鉄拳やらのプライズを置けば良いじゃないですか。なのにそれがまるでないということは人気がないということですよね。
つまりこういう事なんじゃないでしょうか。
- ゲームセンターはプライズがメインで女性客中心
- ゲームセンターをゲームメーカーが運営している事も多い(バンダイナムコ、セガ、カプコンなど)
- にも関わらずプライズのメインは他社のIPばかり
- ゲームIPが殆どない(※ただし任天堂は除く)
- 自社のゲームIPに人気、需要がない事を理解している
特に⑤が深刻だと思いますが、ゲームセンターを運営している部門は自分達で自社のIPに人気がないということを認識しているわけですよね。なのにゲームを開発する側はそこは全く見ていないというアンバランスな構図が見えてきます。
ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、モンスターハンター、バイオハザード、ストリートファイター、鉄拳、メタルギアソリッド、龍が如く、二ノ国、など早々たるIPの最新作が全て発売したPS4が日本市場で全く振るわない現実がゲームセンターから見えてくるのですが、これが2割に注力した結果だとすれば、これからPS5が出たとしてどうなるかは……。
ゲーム系IPが総崩れになっていますが、より深刻なのは最初からこの8割を捨てているという事です。自社でゲームセンターを運営しているゲームメーカーも多いのですが、そこでの客層がゲーム市場がどうなっているのかを物語っているのに、実際には2割に注力し8割を捨てている。
どんな判断だ

足元の客層が見えていないように思えるのですが、今後も2割に注力していくみたいなので、もう5年もするとよりゲーム系IPは国内で人気も知名度も落とし一掃されている未来を幻視します。これを言うと海外で売れているとかそういう事を言い出しがちですが、その詭弁はあまり意味がないような気がします。だってここは日本だから。

それに海外で売れているといってもフランチャイズとしての実態は上記のようになるわけで、なんだかなぁ……。
思わぬ事実に気づいてしまい一人慄いていたのですが、このメーカーとプレイヤーの乖離、そして温度差に何時になったら気が付くのかチキンレースです。
だが、もう手遅れな気がしてならない……。