池袋保健所が36億円でアニメイトに売却へ!
いつの間にか「アニメイト池袋本店」隣の「池袋保健所」が様変わりしていることに驚いた人も多いのではないでしょうか?
現在、サンシャインシティ裏手の造幣局跡地へ仮移転済みの「池袋保健所」ですが、旧池袋保健所跡地はどうなるのかというと、「池袋保健所跡地活用事業」の事業者プロポーザルが行われており、気になる選定結果が発表となりました。その結果はアニメファンにとっては朗報と言えるものに!
結果は、提案事業者2社から「アニメイト」さんが選定され、売却提案価格は36億円、評価スコアは92.0となっています。
もう1社の売却提案価格は31億円、計画の評価スコアは69.8となっており、大きく上回った形となりました!
今年の5月にはこの話が出ていたのですが、4回の審査委員会を経てようやく本決定となり、これからアニメイトとして大きく動き出すことになる池袋保健所跡地。
既に池袋保健所跡地はかなりアニメイトさんの影響が出ていますが、より一層池袋で勢力を拡大していくことになります。
アニメイトによる「池袋アニメシティ構想」が動き出す!
何故「池袋保健所」が移転となったのか?
池袋保健所の移転話が持ち上がった背景には、立地の問題があります。
もともとは旧豊島区役所、豊島区公会堂に隣接していた池袋保健所でしたが、区役所と公会堂が取り壊され移転。
跡地に池袋の新しいランドマーク「Hareza池袋」が建設されることで、池袋保健所だけが今後池袋の中心街となる場所に取り残される形になっていました。
そして隣にはアニメイト池袋本店があるので、「Hareza池袋」とアニメイト池袋本店に挟まれるように位置している池袋保健所は非常に不釣り合いとなり、移転計画が持ち上がります。
造幣局跡地への移転はあくまでも一時的な仮移転となっており、後に豊島区役所に隣接する場所への移転が決定しています。
行政区間と商業区間をキッチリ分けることで、利用者が抵抗を感じないようにとの配慮がなされており、そしてこの池袋保健所跡地を「Hareza池袋」を中心とした新たな街作りとどのように連携し、活用していくかという事業者プロポーザルが行われていました。
その提案としてアニメイトさんが打ち出した構想が「池袋アニメシティ構想」です。
「池袋アニメシティ構想」とは?
この「池袋アニメシティ構想」は、池袋保健所跡地を活用する為だけに考えられたものではなく、もともと構想として持っていたものに池袋保健所跡地を組み込んだものであり、アニメイトさん自身が当初からこうした計画を持っていたことは過去の発言等などから伺い知ることが出来ます。
提案内容としては、コンセプト【誰もが主役になれるエリア「総合聖地」の実現】となっており、池袋保健所跡地をメインカルチャーとサブカルチャーの共存と位置付けています。
これは、「Hareza池袋」をメインカルチャー、アニメイト池袋本店をサブカルチャーとしたとき、「Hareza池袋」とアニメイト池袋本店に挟まれている池袋保健所跡地は、メインカルチャーとサブカルチャーを繋ぐ架け橋であるという考え方です。
この2つのカルチャーを繋ぐことで、両方を備えたエリア、誰もが主役になれる「総合聖地」を実現することが計画の骨子となっています。
▶多様な文化を受け入れる豊かな都市へ
▶Hareza池袋×Anipla
▶池袋アニメシティ構想の実現
跡地活用の基本的な考え方となるのが上記4つの概要です。
「Anipla」というのは、池袋保健所跡地にアニメイトさんが建設予定のビルの名称となっており、地下2階、地上10階のビルが計画されています。隣接しているアニメイト池袋本店と連結する計画となっており、アニメイト池袋本店とAniplaが合体することで敷地面積が倍増となります。
加えて、「Hareza池袋」と相互補完的な関係として運用される予定となっており、多様な文化を受け入れる芸術の街を実現するとなっています。
地下1階、地下2階にはイベントホール「ANIZA」、7階には300人を収容する「ANIPLACE」など、イベントホール2、イベントスペース3の5つの劇場を作ることで、「Hareza池袋」の8つの劇場、更にアニメイト池袋本店×Aniplaに5つの劇場という合計13の劇場が「Hareza池袋」エリアに誕生する壮大な計画となっています。
アニメイトさんの影響力がますます拡大していきますね!
東京オリンピック・パラリンピックまでは「特定活用期間」として運用予定
池袋保健所の解体、Aniplaとして建設が始まるのは2020年10月以降となっています。
2020年4月から東京オリンピック・パラリンピックが終了する9月までの期間を「特定活用期間」としており、現在の池袋保健所をそのまま流用する計画です。
1階をカフェ・交流スペースとし、2階~3階、5階~7階を各出版社の物販フロアとし、4階がイベントスペースとなる予定。売り場面積が倍増するので、取り扱い商品が増える事になるので楽しみです!
2020年の東京オリンピック・パラリンピックが終了するまでは、池袋保健所の施設はそのまま利用することになるので、短期間ながら保健所がアニメイトになっているという不思議な経験を味わえることになるでしょう。
この特定活用期間では、各出版社と連携しギャラリー、イベントスペース、交流スペースを設置する他、作家と触れ合えるイベントやコスプレフェスティバルなどを開催することで135万人の集客を見込んでいるそうです。
池袋にはシネマサンシャイン跡地に講談社さんによるLIVEエンターテインメントビル【Mixalive TOKYO】(ミクサライブ東京)も2020年春に開業予定となっており、テレビ東京さんやブシロードさんといった企業も参加しています。出版社などのコンテンツホルダーも着々と集まりつつありますね!
更なる賑わいの創出へ
アニメイト池袋本店×Aniplaという巨大な施設が誕生することで、周辺施設への経済効果200億円、来場者数は現在のアニメイト池袋本店の2倍となる年間600万人を想定しており、「Hareza池袋」の集客目標1000万人と合わせて年間1600万人の集客を見込んでいるそうです。
今現在でも土日は勿論、平日でも非常に混雑しているアニメイト池袋本店ですが、その倍の集客数を見込んでいるとなると、「Hareza池袋」周辺エリアがこれまで以上に混雑することは間違いなく、目の前を走る南北区道の迂回路設置、歩行者天国化は避けられません。思った以上に早い動きになっているので、早期の対応が求められます。

アニメイトさんの提案では、単に池袋保健所跡地に新しい施設を建設するということ以上に、周辺一帯をどのようにして盛り上げるのか、どのように連携していくかということが主眼に据えられています。
「国際アート・カルチャー都市」構想の下、地域密着で行政と連携しながら新たな文化の街、ひいてはオタク街の構築を目指すというのは、これまでにない先鋭的な街作り、再開発となっており、今後こうした「池袋モデル」が他の都市へと波及していくことがあるかもしれません!
このように大きな変化を迎えつつある池袋ですが、まだ最後の大物が残されています。
西口の再開発がスタートするのはもう少し先になるのですが、それとは別に“アノ施設”の動向も気になるところです。
サンシャインシティと三菱地所は、今年3月にサンシャインシティ正面の「トヨタ自動車池袋ビル<旧トヨタ オートサロン アムラックス東京>」の取得を発表しています。
現在は地下と1階部分でヴィクトリアスポーツが営業しており、上層階はオフィスとして利用されている旧アムラックスビル。サンシャインシティさんが取得したことで、更なる賑わいの創出を目指した大規模なリニューアルが行われることになるのは確実です。
乙女ロードの先端に位置するアムラックスが巨大な集客施設になると、アニメイト池袋本店エリアに人を奪われがちな現在の乙女ロードにも新たな活気がもたらされることになるだけに、今後の動向に注目です!