変わる街並み! 池袋という街に合わせて一斉に動き出す
「Hareza池袋」や「グランドシネマサンシャイン」といった新たなランドマークが池袋に誕生する中、これまで長らく池袋で営業を続けてきた既存店舗にも大きな影響が出ようとしています。
基本的にチェーン店は、全国何処でもサービスや経営方針は共通しています。
コンビニなどの場合、多少品揃えに差はありますが、北海道のセブンイレブンでも沖縄のセブンイレブンでも買えるものは共通していますよね。
それは他のファミリーマートやローソンなども同じですし、量販店や飲食店なども同じで、ある意味では全国一律であるということが一つのステータスになっています。
しかし!
今ここで新たな変化が生まれようとしてます。
池袋に次々と新施設が完成し、街自体が「国際アート・カルチャー都市」という、これまでとは違った領域に進もうとする中、周辺店舗も共同歩調に乗り出しました。
まさに同じ価値感を持ち前に進もうととする仲間同士!
その方向は「アニメ」って……オタク街になっちゃうの!?
これからはむしろ地域特性を生かす時代が到来する!
これが池袋カスタムだ!
共通のコンセプトに向かって一直線! 今年6月に「東急ハンズ池袋店」が大リニューアルを敢行。
ヒト・モノ・カルチャーが集まる場を目指す「集結!マーケット」をテーマに新たなコンセプトの東急ハンズに生まれ変わりました。
東急ハンズさんは新宿や渋谷の東急ハンズもそれぞれの街に合わせた形にカルチャライズすることで新しい価値観の創出に乗り出しており、池袋は3店舗目のリニューアルになります。
これまで東急ハンズ内に存在するアニメイト別館というべきフロアだった6階に「ハンズカフェ」が誕生。
“アニメ・ゲームコンテンツを中心としたコラボカフェを展開することで「人の集う」拠点”というコンセプトのコラボカフェとなっており、ただでさえ激戦区の池袋に更なるコラボカフェが登場しました。
6階はますますオタク層向けのラインナップが強化されており、またしてもアイマスのキャンペーンが開催され衣装展示なども行われています。
因みに前回含めて展示されている衣装の傾向から東急ハンズ池袋Pはクール属性であることが読み取れます。
そして11月末に音楽の老舗タワーレコードもリニューアル予定。
これまで池袋P’パルコ5~6階に展開していた「タワーレコード池袋店」ですが、5階をなんと丸々「アニメ」に特化した「TOWERanime」に変更。
アニメコーナーがこれまでの2.5倍に拡大され約40坪の規模になり、更にイベントスペースも2倍に拡大。収容人数も200人と倍増したことでリリースイベントなども行いやすくなり、5階を「アニメ」と「イベント」を中心としたフロアに変更する計画となっています。
それ以外の従来のジャンルを6階に集中させることで、より池袋のトレンドに特化した形でカスタマイズが行われます。
リニューアル後には早速、女性層に大人気のラップバトル『ヒプノシスマイク』をキービジュアルに起用するなど、池袋らしいコンテンツをメインに打ち出しており、既にリリースイベントなども複数決まっており、今後の飛躍が楽しみです。
まだまだ他にもあります。
「グランドシネマサンシャイン」が出来たことで、フロアが空いていた旧シネマサンシャインビルですが、講談社さんが取得しライブエンターテイメント施設になることが発表されています。
2020年春の開業を目指しており、4つのスクリーンを活かしてアーティスト、役者、声優、Youtuberなど新たな才能を発信する施設として展開する他、物販エリアやコラボカフェなども展開されるそうです。
池袋のコラボカフェ多すぎ問題が日に日に深刻になっていきますが、最早スターバックスより多いのではないでしょうか?
これだけ膨大な数のコラボカフェが池袋東口エリアに集中しているという構図は非常に特殊です。
他にもサンシャインシティの「J-WORLD TOKYO」跡地にVRアミューズメント施設「MAZARIA(マザリア)」が誕生したり、『ワンピース』の公式ショップ「麦わらストア」、「ポケモンカフェ」が2階に出来るなど、こうした変化が急激に起こり始めています。
そしてこれらリリースの際、必ず枕詞に書かれている文章があります。
豊島区が推進する「国際アート・カルチャー都市構想」のもと、進む再開発
このようなリニューアルが発表される際、大抵リリースに書かれていることが、豊島区が推進する池袋の方向性です。
「池袋エリアは、豊島区が推進する「国際アート・カルチャー都市構想」のもと、劇場、映画館等の文化施設や漫画・アニメといったサブカルチャー(以下略)」といったように、豊島区の方針として、池袋がこう変わろうとしているから、こうしたリニューアルが必要であるということが明確に記されており、そして池袋東口エリアの多くの店舗が、この方針のもと新しい池袋に合わせた形で変わろうとしています。
そしてその中には、これまで画一的に営業してきた店舗なども含まれており、東急ハンズさんやタワーレコードさんのような店舗のリニューアルはまさにそうした状況を表しています。
実際問題、池袋の東口は目に見えてオタク街化が進んでいます。移転後にアニメイトさんが、アニメイト池袋本店の周囲にアニメイトカフェやK-BOOKSなどの店舗を増やしてきたりといった動きがここに来て大きく影響してきており、これぞまさにアニメイトさんが仕掛けた埋伏の毒なのではないかと思いますが、ある意味ではこうしたリニューアルは必要に迫られたものであるとも言えます。
池袋東口がかなり特殊な形で再開発が行われ、そしてその意図が明確である以上、需要に合わない商品展開をすることは現実的ではありません。
原宿の竹下通りでご老人向けの商品を販売してもしょうがないですし、そこでは百貨店のような品揃えは求められておらず若者向けに特化することが重要です。
逆に巣鴨の地蔵通り商店街では年齢層高めの品揃えが必要であり、そうした地域特性に合わせて柔軟に運営していくことが必要とされており、池袋東口がオタク街的な変化を推進している以上、そうした需要に対応する必要があります。
このように、豊島区が目指す形に池袋が進化しようとしている中、そこで営業する店舗も、そうしたコンセプトに合わせてカルチャライズされつつあり、今後更にこの傾向は活発化していくことになると思われます。
ジーンズを中心に販売するファッションブランド「Right-on」が「とらのあな」とコラボするのが池袋であることを考えると、サンシャイン周辺エリアでは、オタク層をメインにせざるを得ない街作りというのが進んでいる事になります。
オタク街の先駆者たる秋葉原との明確な差は、秋葉原は戦後の闇市から「家電の聖地」、「オタクの聖地」といったような形で自然発生的に変化していった経緯を持つので、秋葉原に来る層が変化すれば自然と「オタクの聖地」というポジションも移り変わっていきます。
しかし池袋の場合、豊島区自体が池袋をオタク街にするような形で「国際アート・カルチャー都市」を推進しているので、行政からのアプローチという秋葉原とは大きく違う道へ踏み出しています。
これは全く新しいアプローチであり、その結果がどうなるのか未知数ですが、少なくとも一つ言えることは、この変化によって面白い街になっていくであろうということであり、今後独自のスタンスを築いていく事になるに違いないということでしょう。
オタク街にカスタムされていく池袋がどうなるのか、見守っていきましょう!