ゲーム業界に激震! 米中対立でアンリアルエンジンが使用不可に?

脱獄は許されるのか?

Appleがストアから「フォートナイト(Fortnite)」を削除。

前から言われていましたが、「やるぞコラ!」と言って本当にやるのがアメリカ企業。日本だったら、なぁなぁな態度を示しそうそうですが、こういうしっかりした姿勢は見習いたいものです。

アプリをストアから削除しただけではなく、開発者のアカウントも終了。事実上の締め出しに。Epic側は訴訟に動いているそうですが、ちょっと今後の情勢を考えると、Epicは……。

どういう問題かというと、プラットフォーマーのAppleはストアで展開しているアプリから30%の手数料を取っているのですが、今回、Epic側は自社独自のモバイル向け決済手段を用意して、それを使う事でAppleに払う30%分の手数料を迂回して最大20%ディスカウントする「Epic ディレクトペイメント」をスタート。

これに腹を立てたAppleは削除を要求しており、Epic側も応じなかった為、ゲームそのものをストアから排除するという展開になりました。

これは大変ですね!
このブログでは、これまであまりやっていませんでしたが、この手の記事は移転前は良く作っていたような記憶が(笑)

ハード、いわゆるプラットフォームを用意しているAppleからすればタダ乗りを許したくないという気持ちも分かりますし、Epic側からすれば手数料が高すぎるというのも分からない話ではありません。

しかし、事態はそう単純ではないのだった……。
Epicと言えば、汎用ゲームエンジンの「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」を開発、展開していますが、Appleは開発者ツールの削除も警告しており、従わなければアンリアルエンジンも削除するとしています。Appleのストアにはアンリアルエンジンを使った多くのゲームが配信されており、使用不可になればアップデートも何もできなくなる壊滅的な事態に。

そうでなくともEpicは……。
いよいよゲーム業界にも米中対立の波が押し寄せてきた!?

テンセントを切り離せる?

この問題と並行して進んでいるのが米中による対立ですが、激化する双方の中、アメリカは中国企業の切り離しに動いています。

ファーウェイやシャオミが壊滅的な状況に陥っていますが、あらゆる分野でそうした動きが進んでおり、ゲーム業界も対岸の火事ではありません。

Epicは中国企業テンセントの傘下に入っており、いずれ何らかの形で影響が出るのではと思っていたのですが、実際上こういう展開になって、今後はテンセントの切り離しを要求されていくのことになるのではないでしょうか。自由主義経済だから、そんな強引なことはあり得ないなんていう話は既に通用しないというか、中国は自由主義経済ではないので、そもそも自由主義経済圏の中に混ざって経済活動を行っていることが自体がおかしく、昨今のあらゆる問題を作り出している温床になっているので、今後更なる圧力がEpicに掛かりそう。

そうなると、汎用ゲームエンジンのアンリアルエンジンもどうなるのか……。

という疑問が湧いてきますが、最新の「UE5」も発表されたばかりですし、これだけ普及しているUEが使えなくなるとなったらゲーム業界としても大きなダメージになりそうです。何らかの業界が被害を被るから米中の対立が霧散するという選択肢はもうないので、たとえどんなに影響があっても、今後対立は激化していくことは間違いありません。

日本も日本で早く「TikTok」を排除したりとか、そういうことをもっとスマートに進めていかないと、いつまでも足を引っ張られることになりそうですが、いずれ日本のストアからも『荒野行動』や『アズールレーン』、『アークナイツ』などのようなアプリゲームが排除されることになっても全くおかしくありません。

だいたい日本も含めた海外のアプリは、中国で配信するのに当局のチェックが必要で、数も制限されており資金も持ち出せないのに、中国のアプリは日本で自由に配信出来て外貨を稼ぎ放題というこの不公平な状態を続けているのがおかしいわけで、12億の市場とかいう存在しない幻想の市場は捨て去る時期に来ている!

そこら辺、どうにも安穏としすぎているような気がしますが、既に日本も米中対立の中にいるわけで、ここはもう福沢諭吉先生に倣うときですね。

果たしてAppleとEpic、勝者はどちらになるのか!?

と、言っても、こういうのはプラットフォームを用意する側が強いわけで、Appleが端末をあれだけ売りまくっているから成り立っていることを考えると、その努力に対する対価とも言えなくもありません。Epicが勝つのは難しそう……。

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